12回目の善福寺川フォーラムが開催されました

雨水だけを川に流す管の設置を計画してほしい

善福寺池から始まり、神田川との合流地点まで杉並区だけを流れる善福寺川は、湧水や汲み上げた地下水、千川上水の処理水が流れる水質の良い川です。しかし、雨が降ると家庭の排水、トイレで流したものまでが川に流出し、生態系を破壊しています。

川をきれいにしたいという思いの市民活動団体が協力し、どうしたら水質を改善できるかを考える12回善福寺川フォーラムが11月27日に開催されました。昨年からは全国下水道のコンサルタント協会の方たちを講師にお招きして、下水道の構造を学びながら合流改善策を一緒に考えるフォーラムとなっています。

東京では昭和30年代に急速に宅地化が進み、下水道の整備が急がれた折に、家庭排水などの下水と雨水を1本の管で流す合流式が採用されました。しかし昭和45年以降、環境汚染に対する規制が図られ、地方都市では分流式下水道の整備が進められてきています。全国の24%の人が合流式下水道の地域に住んでいるということです。

いま、老朽化した下水管の入れ替え工事をあちこちでやっていますが、それを汚水管専用にして処理場まで持って行く管にしたらどうでしょうか。しかし、雨水専用の新しい管を設置するには、すでに道路の下にはさまざまな埋設物があること、また費用面でも宅地内の分流化は個人負担になるなど困難があります。

新しく建つマンションや新築家屋の下水を順次分流式に切り替えられるよう、雨水だけを川に流す管の設置を計画してほしいと考えます。それまでは、雨をなるべく地面に浸透させること、大雨の日はせめて洗濯を控えて家庭排水を減らすこと、トイレを使っても流さないこと(これは無理でしょうね)。

雨の降り始めは屋根や道路に堆積しているものが流され下水管に入って川に流出するので、最も汚染度が高いことを今回のフォーラムでも再確認しました。すでに東京都で計画されている善福寺川上流の貯留管設置を実現させたいと思います。 
 区議会議員 市橋 綾子