ソウルの旅に平和を学ぶ ~立憲ネットの韓国スタディーツアー①

平和文化陣地の中にドイツから移設された「ベルリンの壁」。かつての分断の象徴という共通するものがあり、思いがつながるモニュメント 2018/8/28

今年、韓国と北朝鮮をめぐる国際情勢が平和に向けて大きく転換しつつあります。安倍首相が「国難突破」などと人びとに危機感を煽りにあおって総選挙に大勝したのがつい去年のことなのに。あんな嘘に国民は乗せられ騙されたと思うと今さらながら残念でなりません。

それがこの夏、自治体議員立憲ネットワーク(立憲ネット)の韓国スタディーツアーに参加し改めて感じたことです。8月28日から30日という日程は、沖縄の翁長前知事死去に伴う知事選挙をめぐり立憲ネットとしての動きをどうつくるか、告示までの日数が限られるなかでの試行錯誤の日々と重なりました。

おかげで一方に沖縄を想い、もう一方では「安倍3選」が確実な状況に絶望しながらも、こんにちのソウルの先進と市民自治への熱さに刺激を受けた3日間となりました。

1日目は、朴ウォンスン市長のもとで進められているソウル市の都市再生の実践をテーマに、2か所を見学しました。

はじめは、もと軍事施設だったところを市民の文化空間として再生させ昨年オープンした「平和文化陣地」。「北」から戦車が侵攻してくるのを防護するという、戦争と南北分断の象徴だった施設を平和的かつ文化的な憩いの場としてよみがえらせた経緯は、この国の歴史を物語っています。

そして次はそこから電車で3つ目、61個のコンテナを再利用して構成された複合施設「プラットフォーム倉洞(チャンドン)61」。ここには若者文化が集積し新しい観光スポットとして多くの人を呼び込む場所になっているそうです。

この2か所に共通するのは、市民の発意が生かされ運営も市民が担っていること。その底に平和への指向が明らかに見られること、でしょうか。2か所の見学の後、これらの運営にかかわる人やパク市政のもとでまちづくりにかかわる人たちと懇談し納得したのは、どちらも市民運動家出身の朴ウォンスン氏が市長となったことで実現した試みだということです。(杉並・生活者ネットワーク事務局長 小松久子)