指定校の隣接校から選択できる「学校希望制度」廃止へ

 新緑に映えるこいのぼり 善福寺公園5/4
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杉並区の「学校希望制度」は、通学区域の指定校に「隣接する他校」の中から進学する小・中学校を、理由を問わず「選べる」制度です。制度実施から10年が経過し、成果の検証と見直しの必要がいわれるようになっていました。設置された検討委員会から見直し方針(案)が出され、パブリック・コメントの募集がされました。

見直し案では、これまでの学校希望制度は廃止し、子どもが学校の特色ある教育活動等に参加を志望する場合はそれを本人が申請できる仕組みを構築する、としています。学校独自の部活動への参加など、その学校を志望する動機を本人自らが申し立て、教育的に良いとされればその希望は満たされる、ということのようです。

5月8日に開かれた文教委員会では、学校希望制の見直しを求める陳情の審査が行われ、この制度に関する質問や各会派の意見が述べられました。

生活者ネット・みどりの未来としての意見を以下のように述べました。
・希望制度は魅力ある学校作りのインセンティブになる一方で外向けの評判に気を取られ、宣伝活動を進めなければならいなど、教員に心理的な負担をかけることが懸念される。
・地域のつながりを作る上で学校が果たす役割は大きい。災害時も学校は避難場所となるなど、コミュニティの中心となる。
・地域の子どもは地域で育て、震災後ますます重要とされる地域の絆をつくって行く上でも学校希望制は見直されるべき。

「選択の自由」が制限されることになりますが、地域のつながりや公教育の公平性など本来のあり方を重視したことは良識的であり評価したいと思います。また子ども本人の意思による学校選択の希望が検討されるという点については、子どもの意見表明権・自己決定権を認めたものと注目しています。

私自身は息子の小学校入学にあたって、家から近い指定校に行かせることを選びました。近所の子どもたちの多くが指定校に行っており、通学経路を考えても近い学校が良いと考えたからです。

この10年で地域運営学校の取り組みが進み、すべての学校に学校支援本部ができました。これから息子の成長とともに小学校6年間、中学校3年間、区立学校の保護者として学校運営にもできる限り関わって、子どもたちにとってより良い学校の環境づくりに協力したいと思います。     区議会議員・文教委員 そね文子