猛暑の中で原子力エネルギーを考える

「熱帯夜を減らす」−今も新しい生活者ネットワークの政策です

後ろは大間原発の工事現場
後ろは大間原発の工事現場
「う〜、暑い!」
もう聞き飽きた、言い飽きたフレーズでしょうか。お元気ですか。
なるべくクーラーをつけない努力をしていますが、家にいるときは29℃でエアコンを入れて熱中症対策をしています。全国的猛暑で、消費電力はウナギ登りと報道されるなか、今年の夏は青森県大間に行こう!と決め、下北半島に出かけました。
なぜ、大間なのか。あるチラシを見たからです(写真下)。

「まぐろ」が描かれたチラシ。「まぐろを食べに来て下さい」とでも書いてあるのか、と何気なく読んでびっくり!そこには、
「大間町に世界初のフルモックス原発(ウランとプルトニウムを混ぜた燃料)の許可が下りて、2008年5月に工事が着工した」
と書かれていました。知らなかった!MOX燃料を100%使用する世界初の原発が、大間町の沖に活断層の存在が指摘されている所につくられている、というのです。

大間に向かう途中、六ヶ所原子燃料サイクル施設(一般に「再処理工場」と呼ばれている)、東通(ひがしどおり)原発を通っていきます。全国で19か所の原発が稼働、工事中1か所(大間)、計画中2か所あるなかで、青森県は原子燃料サイクル施設と原発2か所の計3か所を抱える自治体である、ということを思いながら大間に向かいました。

原発は冷やすために大量の水を使うため、海に面した場所に造られます。大間はご存じのとおり漁港です。海水温が高くなることで、漁獲量や魚の種類の変化が心配されますが、町の方たちの反応は、「もう建設が決まって工事が始まっている。安全だと言っていることを信じるしかない。いま、反対している人はほんの少しと県外の人たち」というものでした。六ヶ所再処理工場も東通原発も東京電力が関係しています。国から補助金が入るとは言え、遠く離れた青森県に「危険」という負担を背負わせ、私たち都会に住む者が何のためらいもなくクーラーをかけていていいのか、と都会の暮らしのあり方を考えていました。
杉並では、東京電力、東京ガス、市民、区がメンバーとなり、地域エネルギー協議会をつくり、太陽光、太陽熱、エコ住宅などの普及により、脱石油、脱原子力のまちづくりを目指しています。生活者ネットワークもこの活動を注目しています。

戻ってきた東京は猛暑。杉並・生活者ネットワークの政策「熱帯夜をなくす」は、みどりを増やす、雨水循環をすすめることにより実現をめざします。エネルギーとしても脱石油、脱原発を訴え、自然エネルギーやバイオガスエネルギーに転換を図る政策を提案しています。
まずは、杉並ネットの環境部会として生ごみから発電するテスト工場を見学に行きます。
区議会議員 市橋綾子