教育委員再任に抗議し議決拒否

区長の人事に反対する

11月30日に任期満了となる教育委員2名、大蔵雄之助氏と宮坂公夫氏の再任に関する議案が26日の本会議に提案されました。教育委員の選出は、地方教育行政法にもとづき区長が選任してその同意を議会に諮ることとされ、先の第3定例会で議決されたときと同じく、上程後ただちに質疑、意見表明、採決という手続きとなります。
写真 半数以上の議員が退席し、審議が中断した区議会議場

ただ前回と違うのは、今回の2名はこれまで務めてきた2期8年の信任が問われたこと。区議会生活者ネットワークは、05年の中学校教科書採択において「新しい歴史教科書をつくる会」の歴史教科書をつよくすすめ、採択に至らしめたこのふたりを信任することはできません。従って議案に対し反対の立場ですが、私たちが「反対」するだけでは賛成多数で可決されてしまうことは明らかです。

一方この人事案には、区政における第1党の公明党が賛同に難色を示し、会派として議決をパスする、との情報がありました。そこで、私たち会派は今度こそ「出来レース」型の提案のされ方自体に抗議しなければと考え、大蔵・宮坂両氏再任に「反対」の意見表明をしたうえで議決そのものを拒否するため、採決時に退席しました。

同時に退席した議員が過半数であったため、定足数を割りこんで議会は休憩となり、その日の採決が見送られるかと一時は思われました。ところが約1時間後に公明党の7名が議席に戻って本会議は再開。すぐに採決が行われ、まず大蔵氏について「賛成全員」で可決、続いて宮坂氏も「賛成全員」で教育委員再任が決定しました。

大蔵氏77歳、宮坂氏75歳と高齢であること、現教育委員会に女性委員が1名だけであることから、委員会構成のバランスについても従前より指摘されてきましたが、提案を覆すには至らず残念な結果に終わりました。

両氏の問題は教科書採択に限りません。異常な状況下での議決だったこと、出席議員のうち3分の1が議決拒否する中での「全員賛成」だったことを、区長にもよく認識していただきたいと願うばかりです。   区議会議員 小松久子