ネットサロン「あなたが裁判員になる日」

裁判員制度は民主主義の学校

なぜいま、裁判員制度なのか、裁判員制度はどんな制度なのか、裁判員制度は日本の何を変えるのか。
裁判員制度の導入を、弁護士として推進している早稲田法科大学院教授の四宮 啓(さとる)さんを講師に学習会を開きました。

「素人にまともな判断ができるのか」「人を裁くなんてとんでもない」そんな声も聞こえてきます。
まず前提として、裁判員は裁判官ではありません。法律の知識も裁判の経験もない一般市民が、その人の常識で判断することのみが求められています。

1つの事件に原則6人の裁判員と3人の裁判官が参加します。裁判官とともに裁判員は、法廷で証言や検察の弁論をじっくり聞き、意見を述べ合い、評議をし、有罪無罪の判断と有罪であれば量刑を決めます。

外国の例を見ると、80以上の国と地域で国民が刑事裁判に参加しています。「裁判員制度なんて日本人のメンタリティーにはなじまないでしょう」という人もいますが、なんと大正時代に陪審法が制定され、昭和3年から15年間日本でも陪審員裁判が行われていたことは意外な事実です。

フランスの政治思想家アレクシス・トクヴィル(1805〜1859)が「陪審は民主主義の学校」と述べ、大正時代の平民宰相、原敬が「司法制度に国民を参与せしむるは当然の事なり」と陪審制度を推進したように、司法への市民参加は国民主権を法の分野で実践することです。
国民の意識変革をもたらす裁判員制度は来年5月から始まります。
                杉並ネット会員 塚原 彩子